信濃之国一之宮にして日本最古の神社のひとつとして数えられる諏訪大社。山や神木などの自然を信仰し、いにしえからの姿が今に残る。全国に1万社以上あるといわれるの摂社・末社の総本社とし多くの信仰をあつめている。祭神は「お諏訪さま」、「諏訪明神」として、古くは風・水の守護神で五穀豊穣を祈る神、また多くの名将に信仰された軍神として広く信仰され、現在は生命の根源・生活の源を守る神として敬われている。
諏訪大社では、七年に一度、寅と申の年に宝殿を造営し、社殿の四隅にある御柱と呼ばれるモミの大木を建て替える祭りを行うこの祭りを「式年造営御柱大祭(しきねんぞうえいみはしらたいさい)」、通称「御柱祭(おんばしらさい)」と呼び、諏訪地方6市町村21万人の氏子がこぞって参加する天下の大祭。次回の御柱祭は、平成28年(2016年)の申年に行われる。
その場所に一歩足を踏み入れただけで、厳かな神域であることを全身で感じることができる。古より諏訪人が心のよりどころとしてきた神々に向け、静かに祈りを捧げれば心がスッと穏やかに。時の移ろいにあわせて変化するその美しさには、悠久の歴史を感じることができる。
諏訪大社の御祭神が最初に居を構えたと伝えられる諏訪信仰発祥の地。脇には豊富な水量の「水眼(すいが)の清流」が脈々と流れ、日照の得られる「良き地」とされている。いにしえからの信仰の姿を色濃く残す前宮は、自然とともに生きる諏訪人の祈りを感じる場所。
晴天率が高く寒さの厳しい諏訪地域では寒天の名産地。寒暖差の激しい気候が上質な寒天を育みます。前宮近くにある松木寒天産業には種類豊富な寒天商品があります。品質には定評があり老舗和菓子店や人気のスイーツ店もこちらの最高級品の寒天を原料に使うほど。食物繊維たっぷり、生寒天の試食も楽しめます。
中山道と甲州街道の交わる下諏訪宿近くに鎮座し、古くから幾多の旅人や文人を迎えてきた諏訪大社下社。宿場町の風情がのこる街並みには大社への信仰が自然に溶け込み、街あるきをゆったりと楽しんでみたくなる。
社殿に向かう石畳をゆっくりと歩けば一瞬で日常の喧噪から離れ、自然と静寂に五感が研ぎすまされる。春宮のすぐ脇にはどんな洪水でも沈まないといわれる浮島や、一年の農作物の豊凶を占う「筒粥神事」など下社七不思議を辿ってみるのもおもしろい。