広々として気持ちの良いロビーに入ると、床や小物のあちこちに、トレードマークである愛らしい鷺のモチーフが。大正時代になると鷺乃湯の評判はさらに知られるところとなり、池上秀畝や島木赤彦といった沢山の文人や画家が長期滞在し、鷺乃湯の温泉を楽しみました。その時に描かれた沢山の美しい屏風などの作品は、廊下のギャラリーで鑑賞することができます。中庭には石庭が作られており、静謐な空間に心が落ち着きます。源泉から引いた足湯（葦湯）もあり、入浴前のリラックスタイムに最適。お土産売場も充実しており、客室以外にも楽しめる空間が多いのも特徴です。

白濁の泉質は大正のころより変化を来たし、今は薄い茶褐色。露天風呂つきの大浴場は広々としており、ゆったりと日ごろの疲れを癒すことができます。また、３階に５部屋、最上階に２部屋、露天風呂付きの客室もあり、こちらは特に人気。朝は眼下に広がる諏訪湖や美しい山々を、夕方はサンセットを、夜は星空を見上げながら、極上の露天風呂が体験できます。

食事は地産地消にこだわった、旬の味を楽しめる丁寧に作られた豪華な和食。りんごで育った信州牛やアルプスポーク、名産のわかさぎや岩魚、馬刺などのほか、自然の恵みがいっぱい詰まった野菜も豊富。朝食にさりげなく出る信州味噌で作ったお味噌汁や漬け物までがとにかく美味しく、"食の諏訪"を実感できます。 温泉、客室、料理と三拍子そろい、まさに「ごほうび」という言葉がぴったりの鷺乃湯。疲れた鳥が羽を休めるように、寛ぎに訪れたい旅館です。